自由の砦 5月10日号 第112



小泉連立政権の一年を総括する
 

分析すれば世論に逆行の施策ばかり


 危険法案提出を黙過する公明
  こんな危険団体は即刻追放すべし

 露呈してきた小泉政権の矛盾
  慣れ合い政治で延命図るだけ


 九十%近い国民世論の期待を追い風に、小泉政権が順風満帆のスタートを切ったのは、一年前のことであった。
 それが、今では、世論の支持も四十%台に下落し、はやたそがれて来た≠謔、である。
 ちょっと冷静に考えてみれば、小泉首相が改革断行≠唱えながら、政権は利権擁護・旧体制維持派≠ナある自民党・公明党の連立の上に成り立っている、という矛盾に、誰もが気付くはずである。
 事実、小泉政権発足直後から、この点についての危惧(きぐ)は各方面から指摘されていた。
 しかし、国民は、マスコミの誘導に乗せられた上、自民党政権に替わるべき野党がだらしないこと、また、国民の間に相変わらず利益誘導政治≠ヨ依存する体質が抜け切らなかったこともあって、小泉氏が景気よくぶち上げる言葉に酔わされ、自・公連立政権の存続を許してしまった。それが、そもそも間違いの元だった。
 この一年間、小泉政権がやってきたことは、もっぱら既成勢力との馴れ合いで政権の延命を図ることだけ。
 肝心の構造改革≠ヘ骨抜きどころか、何もできず、経済運営に対する無知・無能ぶりをさらけ出し、国中をさらに深刻な不況地獄の中に突き落とした。
 一方で、靖国参拝≠竍海外派兵≠強行し、近隣諸国との友好関係を悪化させるなど、タカ派体質のみが突出(とっしゅつ)してきたのである。
 今、不景気と、政治家・官僚の汚職ばかりが噴出する中で、政府が最も力を入れていることといえば、マスコミが権力者の不正を暴(あば)くのを防ぎ国民の知る権利≠圧殺することを目論(もくろ)んだ個人情報保護法案≠竅A軍備強化と海外派兵をおおっぴらに行なうための法案を、強引に進めることだけである。
 このような、国民を不幸にするだけの政権が長続きするはずがない。
 過日に行なわれた、新潟の参議院補欠選挙、和歌山の衆議院補欠選挙、そして徳島県知事選では、自・公は和歌山では何とか勝ったものの、他の二つでは大敗を喫(きっ)した。わずか八ヶ月前の、あの参院選での自・公大勝利≠フ雰囲気は、今ではかけらも見られない。
 いまや、小泉人気から醒(さ)めた国民の間には、自・公政権に対する、激しい不信と怒りが渦(うず)巻いているのである。
 追いつめられた小泉首相は、解散権≠ちらつかせて脅(おど)したり、公明党に泣きついたりしているが、政界では、年内の解散・総選挙が、公然とささやかれている。

 有害政権支えてきた創価学会
  狙いは連立政権のうまみのみ


 ところで、このような、国民にとって有害で無能なだけの政権を一年余にわたって支え続けたのが、他ならぬ創価学会・公明党である。
 公明党が、自民党政権を支えなかったら、とっくの昔に政界再編が行なわれ、新しい政権がこの国の抜本的な改革に着手していたはずである。
 創価学会・公明党は、党利党略・私利私欲のために、自民党と組んで利権構造に割り込み、甘い汁を吸うべく、国民の利益を踏みにじって、汚職政治≠フ番犬となり、つっかえ棒となったのである。
 創価学会・公明党のまったく節操のない実態は、連立政権に参加してからの行動で、いっそうハッキリしてきた。
 創価学会・公明党は、田中角栄氏以来、自民党の中でも、最も私利私欲・汚職構造の中枢にある橋本派≠ニ一体となって行動し、小泉首相のしようとした改革を、ことごとく妨害してきたのである。
 公明党が、橋本派の実力者で、自・公連立のキーパーソンである野中広務氏の腹心・鈴木宗男氏の問題について、これをかばい立てし、ミソをつけたことは、本紙先月号で述べたとおりである。
 その公明党は、続いて起こった武部農林水産大臣の更迭(こうてつ)をめぐる対応でも、さらに、どうしようもない失態をさらけ出した。
 公明党は、鈴木氏のケースでの国民の批判がよっぽどこたえたと見えて、今度は、
 「ことによっては連立離脱も……」
といった脅しを絡(から)めて、小泉首相に対し武部農林水産大臣の更迭を迫った。
 公明党の真の狙いは、武部大臣が創価学会・公明党に批判的な山崎拓幹事長の派閥に属することから、山崎幹事長にダメージを与えること、そして、橋本派の意を汲(く)んで、武部氏の更迭を突破口に内閣大改造に持ち込み、小泉首相を封じ込めようということにあった。
 だが、小泉首相は、公明党や橋本派の実力者・青木参議院議員の圧力をはねのけ、武部氏を守りきった。「どう転んでも、公明党が連立政権を離脱することはできない」という足元を見透かした小泉首相の突っ張り勝ちである。
 メンツ丸つぶれの公明党が、どういう態度に出るか注目されたが、例によって、何が何でも連立政権にしがみついていけ≠ニいう池田大作の基本方針に従って、何も言えず、尻尾(しっぽ)を巻いて小泉首相に屈服した。

 連立維持が最大目的の公明党
  危険法案提出に反対もせず


 その後、小泉首相の突然の靖国神社参拝についても、一言も言わず、そして、悪辣(あくらつ)な権力者を守るための個人情報保護法案を自民党が国会に提出したことについても、
 「野党時代なら絶対反対だが……」
などと陰でブツブツ言いながら、逆らおうともしない。
 創価学会・公明党の本音は、
 「この法案が通れば、池田大作がマスコミの批判にさらされることを防げる」
として、内心は喜んでいるのである。
 しかし、国民世論への手前、「反対したいが、与党だからできない」というジェスチャーをして、ごまかしているのである。
 このような、いかがわしい勢力に支えられる小泉政権の人気が下がるのは、当然の成り行きといえるだろう。
 国民は、政権を支える与党が、従来の利権・汚職体質を擁護する自民党・公明党に足場を置いている、その矛盾に気が付いた。それが小泉神話崩壊の原因である。
 追い詰められた小泉首相は、起死回生を狙って改革のための法案≠次々と進めようとするであろう。そうなると、これを阻止しようとする反対勢力≠ニの最後の対決は避けられない。
 そこで、小泉首相が、いつ解散という刀を抜くか≠ニいうことが、政界での大きな関心事になっている。
 解散となれば、自民党の分裂・野党の離合集散(りごうしゅうさん)、その結果としての政界再編成は免(まぬが)れまい。
 公明党の政権参加によって甘い汁を吸う作戦≠焉Aいよいよ終幕を迎えつつある。
 公明党の政権参加以来、
 「この国を動かしているのは、池田先生である!!」
と自慢していた創価学会首脳は、今になって、じつは、
 「この国をダメにした元凶は池田大作である!!」
と宣伝しているのに等しいことに気付き、慌(あわ)てているだろう。

 妄執の悪循環で拒否反応増大
  国民の良識が池田の野望を挫く


 ところで、老い先も短くなった池田大作は、今では、天下を盗ること≠セけが窮極の目的となっており、そして情けないことに、近年その妄執は、老化現象によって凝(こ)り固まって強くなっているようだ。
 しかし、現在のように、創価学会に対する社会の拒否反応が強いかぎり、それは夢のまた夢にすぎないことが、池田大作にもわかってきた。
 そうなれば、ますます焦(あせ)ってじたばたするのが、池田大作の持って生まれた性格であるが、池田大作が焦(あせ)って繰り出すあの手この手も、全てうまくいかない。
 この不景気の最中に、湯水のごとく金を使って、地方新聞やテレビにやたらにコマーシャルを出したり、また、日本では誰も認めてくれず、勲章も竹入氏にはくれるが自分にはくれないとつむじを曲げ、それならばと、南米や東南アジア、アフリカで金をばらまき、勲章や名誉称号をかき集めて、
 「どうだ、オレは偉いだろう」
と、自分で自分を誉め称(たた)えてみても、世間は
 「ピエロかドンキホーテか」
と嘲(あざ)笑うばかりである。
 それに腹を立て、たまりにたまったストレスを、自分を破門に処した日蓮正宗や批判者・反対者に向けて、ヒステリックに攻撃や加害を繰り返す――。
 内部情報によれば、元「被害者の会」事務局の佐貫修一氏には二人、元・創価学会顧問弁護士の山崎正友氏には七人、日蓮正宗対策には数十名の専従員がいて、いやがらせや危害を加えるために、日夜、悪知恵を絞(しぼ)っているそうである。
 そんなことをすればするほど、国民の拒否反応の壁は厚く高くなっていくのに。
 最後に、日本という国家、社会が滅びたら、創価学会も消滅する。
 したがって、今、創価学会がしている日本国を食いつぶす行為は、還着於本人(げんちゃくおほんにん)=\―すべて、自分たちの上に帰ってくるのだ、ということを創価学会と会員に忠告しておく。

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