自由の砦 4月10日号 第111


宗男騒動で露呈! 公明党の正体

政権保持のためにここまでやる!?

 連立への執着で巨悪も見逃す公明
  この寄生虫を追い出すことが急務


 公明党が「宗男辞職勧告」を否決
  批判しつつ後退するその理由は?

 またまた、公明党が醜態をさらけ出した。  いや、実態が明らかになったと云うべきか。
 野党が提出した鈴木宗男代議士に対する辞職勧告決議案は、案の定、公明党が反対に回ったことによって、衆議院議員運営委員会で否決され、封印されてしまった。
 せっかく盛り上がった政治疑惑追及≠フ機運が、またも公明党によって潰(つぶ)されてしまった。
 このことに対する国民世論の反発は、当然のことながら、きわめて厳しい。
 政治は、自・公の野合によって、再び国民の意思から遠くかけ離れた方向へと、向かって行こうとしている。
 一連の鈴木宗男騒動の中で、一番男を下げたのは、小泉首相であろう。
 口では、改革≠叫びながら、じつは、旧態依然の政治家でしかないことがすっかりバレて、支持率は急落した。
 小渕―森と続いてきた、国民が嫌悪(けんお)し、自民党凋落(ちょうらく)の原因となった悪しき体質に、結局、逆戻りし、守旧派の軍門に下ったことが明らかとなった。
 昨年七月の参院選で、国民の圧倒的な支援を得て大勝利を得てから、半年余りしかたっていないのに、新潟県の参院補欠選挙では、国民の風当たりが強くて、当選の見込みがない、といって、自民党公認候補が出馬を辞退する、という変わり様である。
 このように、小泉改革を失敗させ、国民からも毛嫌いされる金権・利権政治≠支え続けてきたのが、じつは創価学会・公明党であることを、ここに来て、さらにはっきりさせたのが、今回のできごとであった。

 自民党批判は世間に対するポーズ
  連立維持のために右往左往の公明
 今回の鈴木氏辞職勧告決議案をめぐる公明党の、余りにも無節操で無責任極まりない行動に対して、創価学会に懐柔されて批判を控えてきたマスコミさえ、さすがに呆れ果て、いっせいに批判している。
 公明党の首脳達は、鈴木代議士が、自・公*合のキーパーソンである野中広務氏の腹心であり、公明党議員達とも親しかったことから、当初、疑惑の追及に煮え切らない態度をとった。
 むしろ、田中真紀子前外務大臣を批判する立場に立つことによって、間接的に鈴木代議士を擁護(ようご)さえした。
 小池田大作≠ニも云うべき鈴木氏の振る舞いを批判することは、間接的に池田大作批判≠するに等しいから、躊躇(ちゅうちょ)したのかもしれない。
 これに対し、不満を持った学会員からも突き上げがあり、創価学会首脳は、会員の不満のガス抜きをするため、公明党に手ぬるいぞ≠ニ注文をつけた。
 創価学会首脳も、公明党が本気で追及する側に廻ったら、小泉内閣がつぶれ、連立が崩壊することは、百も承知だから、これは、あくまで会員に対するゼスチャーにすぎない。
 どんなことをしても、連立政権にしがみつくというのが、池田大作の本音であり、創価学会の戦略である。公明党が鈴木氏追及にへっぴり腰だったのも、この戦略に従ったまでのことである。
 だが、世論の風当たりと会員の突き上げが、あまりに強いので、何らかのゼスチャーを見せなくてはならなくなった。
 そこで公明党首脳は、にわかに
 「自民党は早急に結論を出すべきだ」(神崎代表)
 「公明党らしい、政治腐敗と断固戦う、という党是に沿った決断をすべきだ」(井上義久幹事長代理)
等と発言しだし、
 「自民党との連立合意に疑惑議員をかばうことは入ってないはずだ」
などと、いかにも疑惑追及にやる気を見せた。

 思わぬ踏み絵で二の足踏んだ公明党
  公明党の変節を大手マスコミも批判

 これを見て小泉首相は、従来の姿勢を捨てて、あわてて公明党の懐柔のため、頭を下げ廻った。
 公明党若手議員に対し
 「君らは改革派だ」
と持ち上げ、ゴマをすったりした。
 国民や会員向けのパフォーマンスが、小泉首相に対するブラフにもなり、思わぬ効果を上げたのである。
 この公明党のパフォーマンスを、野党までもが半分信じ込んでしまった。
 野党が提出した鈴木氏議員勧告決議案≠ヘ、じつは、公明党の同調を期待しており、公明党が同調すれば、衆議院議員運営委員会で可決され、本会議で審議されることになる。そうなれば自民党内にも賛同者が出て、可決するのではないか、との甘いソロバンをはじいていたのだ。
 そのため、この決議案をめぐって、公明党は、にわかに国民世論注視のもとで、踏み絵≠踏むことをせまられる格好になってしまった。
 そうなると、公明党は、もはや、国民世論向けのゼスチャーである疑惑追及≠フ猿芝居を続けるわけには行かなくなった。
 泥をかぶるのは、例によって冬柴鉄三幹事長であった。
 さっそく、
 「現時点では、賛成できない。時期尚早(しょうそう)だ」
と、決議案に反対する姿勢を表明し、あくまで自民党と共同歩調をとることを宣言した。
 何としても自民党との連立政権を維持する≠ニいう、池田大作・創価学会の戦略から、今さら外れることはできない、というのである。
 決議案は公明党が反対にまわったことで、議員運営委員会で否決され、葬(ほうむ)り去られた。
 マスコミは
 「くるくる変わる公明党」
 「政治理念より現世利益」
 「自民党の補完物、つっかい棒に成り下がった変節政党」
などと、筆をそろえて非難した。
 民主党の管直人幹事長は、
 「『鈴木宗男を守る会』の会長は野中広務さん、事務局長が冬柴さんだ」
と云い、
 「公明党はダーティー・アシスト・パーティ(汚職支援党)と名前を変えた方がよい」
と皮肉った。
 誰の目からみても、疑惑の百貨店@髢リ代議士を助け延命させたのは公明党であることが、はっきりした一幕だった。

 矛盾で判った公明党のペテン体質
  公明は私益追求の自民党補完勢力

 決議案を葬り去った後、あまりの悪評にあわを喰った冬柴幹事長らは、東京で緊急街頭演説会を行なって、必死に弁明につとめたが、焼け石に水である。
 今回、公明党が決議案に反対した根拠は
 「鈴木氏の問題は疑惑であり、刑事訴追を受けてない現段階では時期尚早だ」
というものだった。
 ところが一九九二年十二月、公明党は佐川急便疑惑自民党事件≠ノ関連して竹下登元首相に対する議員辞職勧告案を提出しているのである。
 この時、竹下氏はもちろん刑事訴追を受けていなかった。
 今回の説明では、この十年前の行為も誤りだった、とすることになろう。自己矛盾もはなはだしい。
 公明党の、このような云うこととやることは正反対≠ニいうペテン体質が、今回の一連の騒ぎの中で国民の前にはっきり露呈されたことは、ある意味で、よかったといえよう。
 公明党は結党以来、
 「政治腐敗と戦い、公明政治を目指す」
 「清潔な党・公明党」
 「平和憲法を守り、反戦平和主義である」
 「大企業のための政治でなく、国民のための政治を!! 福祉の充実を!!」
と、かっこうの良いことばかり云い立ててきたが、実態は、腐敗・汚職まみれの自民党政治を、要所要所で支えてきた自民党つっかえ棒、番犬政党≠ナあった。
 公明党は、そのことと引き換えに、池田スキャンダルや創価学会の不正や犯罪・脱税を、自民党に見逃し、もみ消してもらっていたのだ。
 つまり、創価学会の用心棒政党≠ェ、本当の姿である。
 公明党が、うわべのキレイごとを並べ、国民政党を気取っていたカムフラージュをかなぐり捨て、自民党の番犬≠フ本性を明らかにしたのが、一九九九年の、小渕政権での自・自・公§A立であった。
 国民や自民党支持者層の大反発を押し切って行なわれた、自・自・公§A立は、じつは従来の利権・汚職・政・官・財、癒着(ゆちゃく)政治≠生き延びさせるためのものであった。
 その後の三年間の政治が、そのことを、如実に物語っている。
 国民は未曽有の不況にあえぎ、国の財政は破綻(はたん)しかかっているのに、利権政治・口利き政治≠ヘ安泰であり、汚職事件や官権の不安は増えこそすれ、減ることはない。
 生きていけなくなって自殺者が激増しているのに、族議員はワイロで肥え太り、官僚は国家予算を喰い潰して破廉恥(はれんち)な生活にうつつをぬかしている。
 国民を踏みつけにして、政治家や役人らが甘い汁を吸う、という構造を、ただひたすら維持するために、創価学会・公明党は決定的な役割を果たしているのである。

 公明の与党化で社会全体に悪現象が
  公明党の排除で真の政治改革を!

 公明党が政権入りしてから、KSD事件∞中川官房長官の黒い交際≠ネどの政界スキャンダルが相次ぎ、盗聴法≠竍報道制限∞自衛隊の海外派兵≠ネど、反憲法≠フ立法が相次いだ。
 これらが、公明党の協力ですんなりと処理されたのである。
 一方で、際限なく国費をつぎ込みながら、不況も不良債権問題も、いっこうに改善されないばかりか、ますます悪化している感すらある。
 このように、自民党にひたすら協力し、腐敗政治をはびこらせ、国民を苦しめることの見返りとして、創価学会・公明党は、自民党から利権のおこぼれ≠分けてもらい、与党の権力で警察等を動かして批判勢力を抑圧し、マスコミを押さえて批判を封じる、という利益をむさぼった。
 また、自民党からの、政教一致、社会的不正≠フ追及や池田大作証人喚問という攻撃も封じることができた。
 自民党の過半数割れ≠ニいう弱みにつけ込み、持ちつ持たれつの関係をあくまで維持して、ひたすら私利私益≠むさぼる、国家の寄生虫のような存在が、他ならぬ創価学会・公明党なのである。
 汚職議員をかばい、「改革」と言いながら、国民に犠牲ばかりを押しつける政治は、じつは、とっくに潰れているはずの自民党政権を、公明党が支え続けることによって、維持しているのだ。
 この、最悪の政治状況を打破する方法は、あまりにもはっきりしている。
 要はつっかい棒≠ウえはずせば、自民党政権は倒れる。そうすれば、本当の政治改革が始まるのである。
 鈴木氏のような汚職議員を守り国民を犠牲にする創価学会・公明党を、国政から追放することが、そのための唯一、そして最善の道である。
 選挙で、自民党のつっかい棒∞腐敗政治・利権政治を守る番犬≠ナある公明党議員を叩き落とすことが、この国と国民が生き延びる唯一の道であることを、国民は、そろそろ、はっきりと認識するべきである。
 学者・評論家が、あれこれもっともらしく述べる理屈は、まことに虚(むな)しい。
 それは、問題の本質である、創価学会・公明党の害悪を視野に入れていない、根無し草の議論である。
 原因は明々白々。だから、対処方法も簡単。創価学会・公明党を政界から追い出せば、すべては解決に向かうのである。
 そのために、選挙で、公明党議員を落とせばいい。自民党はつっかい棒を失ってひとりでひっくり返り、利権政治・汚職政治≠ヘ直ちに幕を閉じる。
 これだけはっきりと事実を見せつけられて、なお気がつかず、行動を起こさなければ、この国の人々は救いようがないと、世界から見放されるに違いない。
 私達は、この国と国民、そして私達、子孫のために創価学会・公明党と断固として戦っていかなくてはならない。
 なお、三月二十六日、社民党の辻元代議士が秘書給与をめぐる疑惑で議員を辞職した。
 これを受けて鈴木氏の辞任要求の声が再び高まっており、公明党がこれにどう対応するかが、注目されている。
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