レイプ裁判動向            自由の砦 平成9年12月10日号より


  『池田レイプ裁判』に不自然な新展開

証人出廷・実質審理直前で中間判決!?


まだまだ審理は未結証人出廷の可能性も

「池田レイプ裁判」の第六回口頭弁論が去る十一月十一日、東京地裁六二二号法廷で行なわれた。

 この日、原告・信平信子弁護団は、「原告信子と、性的関係をもった事実はあるか」等、尋問事項を添付し、被告・池田大作名誉会長の証人申請を行なった。

 これは前回の口頭弁論で被告側弁護団が、信平さんを証人申請したために、原告側も幸いとばかり、被告・池田氏の証人出廷を望んだわけである。

 レイプは、密室の行為。被害者、加害者による二人の証言が、裁判の重要な要になる。

 これで二人の証人が出揃い、提訴以来、だらだらと一年半にも及んでいた口頭弁論にも終止符。いよいよ実質審理に入るかと期待された。

 ところが今回の公判で、満田明彦裁判長が「次回に中間判決を下す」と、告げたのだ。これはどういうことなのか。

 これまで池田弁護団は、一貫して、裁判所に「消滅時効」を訴える法廷戦術を用いてきた。つまり、池田氏から信平さんがレイプをされたという期日の昭和四十八年、五十八年、平成三年は、「時効」(三年)に当たるとして、不当訴訟であると主張してきたのだ。

 また、信平さんの主人・醇浩氏も原告として池田氏に、「損害賠償」を求めていた。が、満田裁判長は、そのうち、昭和四十八年分については、「除斥期間」に相当するとして、これも審理を終結し、合わせて中間判決を下すというのだ。

 裁判所がどのような中間判決を下すか、わからないが、おそらく、池田弁護団の意向に沿った中間判決になろうことが濃厚である。

 聖教新聞は公判翌日(十二日付け)の紙面で、

 「信平狂言裁判 不当訴訟に適切な決定」と、報じた。   もはや、池田レイプ裁判が終わったような喜びよう。

 しかし、中間判決が出ても、まだ、醇浩氏が訴えている昭和五十八年、平成三年分の審理が残されている。

 したがって、池田レイプ裁判は終わったわけではない。裁判の進行いかんによって、原告・信平、被告・池田両氏の証人出廷もある。

組織をあげての信平さん攻撃

       学会は静かに見守るべき

 とにかく、海外まで広く打電された「池田レイプ裁判」。当初から異常な展開をみせた。

 信平さん夫婦が、池田氏個人を訴えたのに、対立の構図は、まず信平夫婦対創価学会となったのである。

 元、創価学会の婦人部幹部として組織活動に従事してきた信平さんも七〇歳。普通なら、余生を静かに送る老いた年齢である。

 その信平さんが提訴に先立ち、主人にレイプの屈辱を初めて告白した。永年、連れ添ってきた主人や家族は、どれほどのショックであったか――。

 こうして家族を犠牲にしてまで、信平さんは自らの屈辱を法廷にさらした。取り返しのつかない犠牲をはらってまで、裁判に訴えた信平夫婦に、無慈悲にも創価学会が、組織を挙げて襲いかかったのである。

 尾行、監視、嫌がらせ電話。さらには、傘下の機関紙、雑誌、インターネットまで使用して、信平夫婦に総攻撃を加えた。

 信平さんの、国民として裁判を受ける権利も、人権もズタズタにし、プライバシーを奪っていく。

 聖教新聞をはじめ、創価学会はこの裁判を「信平狂言裁判」と、呼ぶ。七〇歳にして、レイプを狂言したところで、信平家族が犠牲をはらった以上の、どんな利があるというのか。

 信じる教団のトップがレイプで裁判に提訴された。会員がショックを受けるのも理解できるが、手順としては、まず、ご本人に事実の有無を確かめるのが、『開かれた創価学会』としての道筋である。

 また、日本は法治国家であり、隣のどこかの国と違って独裁国ではない。何びとも公平な裁判を受ける権利を有しているのだ。

 それを、執拗な尾行、監視とは、あまりにも陰湿で非民主的。人権を世界に訴えている創価学会の行動とも思えない。

 せめて学会も、この裁判を静かに見守ってやってはどうか。

 
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