事件の経緯 去る三月十九日午前七時四十分すぎ、東京都杉並区に住む伊藤奈津美さん(40歳)宅 に突然、警視庁野方署の刑事達が来訪、伊藤さんを逮捕してしまった。 この時、伊藤さんの夫はすでに出勤後だったため、夜になるまで、誰も伊藤さんが逮捕されたことに気付く者はなかった。 警察によれば弁護士以外は接見禁止だというので、依頼を受けた弁護士が夜のうちに伊藤さんが留置されている板橋署に出向いて伊藤さんに接見。話を聞いた結果、どのような嫌 疑がかけられているか、が判明した――。 それによると、昨年十月二十九日、伊藤奈津美さんと、生田和子さん(45歳)の二人は、都内中野区に住むI婦人(78歳)の家に行った。 伊藤さんと生田さんは、日蓮正宗理境坊の檀信徒の講である「妙観講」の講員であり、訪問先のI婦人は創価学会員である。創価学会は平成3年に日蓮正宗から 破門になっており、この日、伊藤さんと生田さんは、I婦人に創価学会の誤りを話し、学会を辞めて日蓮正宗に戻るよう、勧めるために訪 問したものであった。 I婦人には事前に伊藤さんが電話をかけ、すでにI婦人が学会活動にも出ていない事を聞いた上で、I婦人に住所を尋ね、家を訪問した。 I婦人は二人を快く家に上げてくれ、話が始まった。 そして「創価学会はすでに日蓮正宗から破門されていること、一日も早く脱会して日蓮正宗に戻るべきこと」等を話したところ、I婦人はすんなりと納得して脱会することとな り、その意志を表明する用紙に署名・捺印をした。 次に、仏壇に掛けてある本尊が学会製の本尊であることが判ったため、日蓮正宗に戻るためには、これを処分しなければならないことをI婦人に説明、納得したI婦人は、本尊を 仏壇から外し、家の中からハサミを持ってきて切断した。 その際、生田さん達は、「本尊処分は必ず本人の手で行なうこと。代行してはいけない」と妙観講で指導されている事を守って、きちんと本人自身の手で本尊を切断してもらっ た。 その後、念のため、??I婦人本人が学会製本尊を破却した?≠ニいう確認書にサインをもらい、I婦人からはお茶を勧められる等の和やかな雰囲気の中で、伊 藤さんが「何かあったら、いつでも連絡してくださいね」と言って、自らの住所・氏名・電話番号・連絡先をメモに書き、持参してきた資 料と共に渡して帰っ た。 ところが、その後、I婦人が創価学会を退会した事態に気付いたI婦人の周囲の創価学会男子部から、伊藤さん宛に脅迫する電話やメール、貼り紙等の嫌がらせが相次ぎ、伊藤さ んとI婦人との間は遮断され、I婦人は学会の中に囲い込まれてしまった。 以上が五ヶ月前の経過であるが、それが今回、次のような全く異なる話にデッチ上げられていたのである。 ??伊藤・生田の二人は宅配便の業者であると偽って強引にI婦人宅に侵入し、おびえているI婦人の手を押さえ付け、無理やりにペンを握らせて、書類に署名・押捺させた。さ らに、勝手に仏壇から本尊を外してハサミで切断した?? と。そして二人にかけられた嫌疑は、「住居不法侵入」「強要」「器物損壊」だというのである。 こんなふうにデッチ上げるのなら、どんな罪でも作り出すことができてしまう。それに、この内容は、過去に学会員らが虚偽の告訴や提訴をしようとして、繰り返し妙観講の講員 達に仕掛けてきた内容と、ほとんど同じ手口である。 そもそも、犯罪を犯した者が、わざわざ自分の住所・氏名・連絡先を書いて相手に渡してくる、などということがあるはずがな い。 一方、この伊藤さんの逮捕によって、自分にも故なき嫌疑がかけられていることを知った生田和子さんは、その翌二十日、自ら三
度も野方
警察署におもむき、「私の友人が不当逮捕されました。私も容疑者らしいので、私からも事情を聞いてください。私は逃げも隠れもし
ませんから、担当の刑事さ
んに会わせてください」と繰り返し求めたが、野方署はこれを無視。さらに翌々日にかけて二回も野方署に電話をかけたが「事情を聞
く必要はない」等と言っ て、全く事情聴取に応じなかった。 |